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春をつげるセツブンソウに引き続き、地域の方に大切に守り愛されている 幸せを招く『フクジュソウ(福寿草)』が広島県庄原市東城町で見ごろを迎えています。
セツブンソウと同様に、フクジュソウもまた地域の方に大切に守られている庄原の春を表す代表的な稀少植物のひとつ。地域の方からは幸せを招く花として愛されています。
フクジュソウには4種類、フクジュソウ、キタミフクジュソウ・シコクフクジュソウ・ミチノクフクジュソウがあり、庄原市東城町久代為重地区に自生している種類はミチノクフクジュソウ。
環境省レッドリストの県別データによると準絶滅危惧種に指定されています。
セツブンソウと同様に、この花も人に手によって草刈りなどの手入れを行うことで花を守り、咲かせることができます。ここでも里山の手入れをすることで花が守られているってことが分かりますよね。
都会では見られなくなった花も、こうして自然豊かな地域で地域の方に大切にされているからこそまた一段と美しく感じるのではと私は思います。
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ここでフクジュソウの面白い魅力をもうひとつ。
私も地元ボランティアガイドの方から教わりました。
これを知って花を観察してみるとまた楽しいんですよ♪
フクジュソウの花は、太陽の日差しが差し込んでいると開花し、曇りだと閉じてしまいます。
とっても太陽が大好きな花で、1日のうちに太陽を追いかけて角度を変えていくんです。
ガイドさんに「晴れている日の14時頃が一番花が開いているんだよ」と教えてもらいました。
そして注目すべきは、花と虫の関係。
早春のこの時期は、昆虫の数もまだ多いとはいえませんが、ハナアブ達はこの花が大好き!
普通、虫達は花の蜜や花粉を食べるために花に集まってきますよね。
ですが、実はフクジュソウは花蜜をもっていないのです。
じゃあ、なんで虫たちはこの花に集まってくるの???
この花をよく観察してみてください。
写真では難しいかな~~・・・(笑)
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よ~く見ると、黄色の花の形がパラボナアンテナのように見えませんか?
そして、花の内側の質感までよ~く観察してください。
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花びらの裏側と比較するとよく分かります。
内側はキラキラと反射するような照り感が見てとれます。
残雪が残るこの早春の時期、花蜜をもたないのに虫たちが集まる理由が分かりましたか?
実は、フクジュソウの花の内側は太陽の光をより花弁中心に集める仕組みになっていて、外気より温度を上げる効果があるのです。花の内側は、外気に比べ2~3度は温度が高いそうですよ。場合によっては5度もあがることがあるそうです。
虫たちも花粉をつまみ食いしながら、まだ寒い早春をフクジュソウの花の中で暖かく快適に過ごしているというわけですね~~
花と虫の共存関係、そして、人間とフクジュソウの密接な関係。
里山は色々な素晴らしい関係で成り立っているのであります。
さぁ、こんなちょっとした豆知識を頭に入れて、虫たちと同じように春の陽気に誘われて雪解けした庄原市までドライブがてら足を伸ばしてみませんか。
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Written by MITSUE IMURA /Photos taken by RIE KIKKAWA
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